2005年6月3日(金)16:18

EU憲法の批准推進に慎重論が高まる

ブリュッセル/ベルリン(AFP)

フランスとオランダの国民投票でEU憲法が明確に否決されたことを受け、EU憲法の批准推進に慎重論が高まっている。イギリスに続き、アイルランド政府とポルトガル政府も批准投票の継続に疑問を呈した。ルクセンブルクのジャンクロード・ユンカー首相は、自国の国民投票でEU憲法が否決された場合、辞任するとの意向を表明した。一方ドイツ政府は憲法条約の批准手続き中止に反対する意向を示した。

アイルランド政府は、6月中旬のブリュッセルEU首脳会議を待ってEU憲法問題を決定したい。状況は「きわめて難しく」、今の事態は「地震」に等しい、とダーモット・アハーン外相は語った。この発言により、アイルランド政府の姿勢はこれまでの明確な国民投票推進から後退した。

ポルトガルのディオゴ・フレイタス・ド・アマラル外相は、EU25ヶ国の首脳が6月16日と17日の首脳会議で、今後のEU憲法国民投票でさらに否決が増えるのは「意味がないばかりか耐え難い」という結論を出す可能性もある、と述べた。国民投票は当座中止するか「批准手続き全体をストップ」する可能性もある、と外相は続けた。

デンマーク、チェコ、ポーランドでもEU憲法条約が国民投票で過半数の賛成を得る見込みはいよいよ薄くなっている。デンマークの最新の各種世論調査によれば、9月27日の国民投票ではせいぜい30パーセントから38パーセントの有権者しか賛成しないという。国民投票ではなく議会の議決で批准を決定する隣国スウェーデンでも、EU懐疑派が伸長している。

イギリス政府は来週月曜日に、当初の予定どおり2006年の前半に国民投票を実施するか否か、それとも議会の採決のみとするかを発表する意向である。ある世論調査では反対が57パーセントに上り、確実な賛成は37パーセントに留まっている。

ルクセンブルクは次の国民投票実施国として7月10日に国民投票を行う。すでに今週初め、ユンカー首相は世論調査の結果に「懸念」を表明していた。5月に行われた調査では、伝統的に親EUとされるルクセンブルクでもEU憲法反対派が41パーセントに上った。

原題:Weitere Daempfer fuer Befuerworter der EU-Verfassung




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